建築費約1300万円。相場より1割高い賃料。募集3ヶ月で内見者12組
明確なコンセプトとポイントを絞ったデザインで成功

約15坪の狭小地に新しいことを。不動産屋には難しいと言われる

改装を前提に計画された一戸建て「Tu・Zu・Ku」。もともとは車が4台停まる約15坪の駐車場でした。 そんな狭小地の土地でも、入居者に喜んでもらえる新しい取り組みができないだろうか・・・ 当初、近隣の不動産屋に相談したところ、徒歩9分だと賃料は新築でも9万円。一軒家でもあまり需要はない。 と言われてしまったそうです。 　容積、斜線制限とも最大限を生かして建てても1LDK～2DKが限界でした。 普通に建てたら普通に苦戦して終わってしまう。そこで、当社の事業の一つでもあった「入居者が改装できる賃貸」として 計画が進みました。戸建てという事もあり、限りなく持家に近い感覚で住めると思いました。 ならば、入居者が自由に壁に絵を飾ったり、床材、壁材が変えられるようにしたら、戸建てという利点は最大限に生きると思いました。

仕上げは最小限に。角地を生かした大開口で見せ場をつくる。

改装が前提のため、内装は極力施さずに下地材で使うOSBボード現しのままと最小限に留めました。 賛否両論ありますが、木質が見えて表情がありこのままでも問題ないとご意見も頂いております。 　そして、インパクトになる仕掛けも必要です。角地の立地を生かし北側の階段部分に大きなサッシュを入れました。 1階から2階へ続く外に開いた開放感のある空間で採光をとっています。また、2階に生活の中心になるＬＤＫを持って くることで、角地でも通行人の視線を気にすることなく過ごせるように配慮しています。 更に、南の隣地境界には建物がぎりぎりまで建っており採光の確保は困難でした。 2階の天井を勾配天井にし、高窓を設ける事で南からの採光と通風を確保しています。 　当初、不動産屋の話では、このエリアで物件探しをしている人は地元の人が多く相場も23区に比べて劣る。という 事でした。しかし、出来あがってみたら、都内に在住・又は勤務地がある方が内見に来てくれました。 エリア相場より高い賃料での募集でしたが、都内に比べればまだ安かったのもポイントだったと思います。 また、魅力的な物件があれば立地はあまり問題ではない。という事が今回の計画で分かりました。